『真夏の夜の夢』より≪妖精の情景≫ゲネと本番 - ジョイ・バレエ ストゥーディオ

〒171-0052
東京都豊島区南長崎 1-9-16 ヒルトップビルド B1F

JOY NEWS

  • 『真夏の夜の夢』より≪妖精の情景≫ゲネと本番

    『真夏の夜の夢』より≪妖精の情景≫

    10月中旬から通常レッスン後に、リハーサルクラスを開講し、1カ月半、10分の作品に命を吹き込む作業をコツコツと続けて参りました。

    発表会の80人以上がステージに上がり、20名前後の同じ年齢層で踊り、装置付きの舞台で2時間以上の作品

    と比べ、

    秋フェスは出演者20人未満、装置が何もない舞台で、皆の身体と心でその作品を10分間演じ切る

    という、厳しい条件下の舞台です。

    バレエは踊りがシンメトリーに演出されており、4小節ごと、8小節ごとに場所を移動し、その度に決められた

    左右対称の場所で踊る事が必要です。

    発表会であれば、『ポジションランプ』という、舞台上のダンサーにしか見えない『場所を取る為のライト』が舞台前方に置いてあります。

    遠くからでもライトが見える為、踊りながら自分の踊る場所を確認する事が比較的簡単に出来ます。

    しかし、今回の様なフェスティバルでは、その様なライトが無い為、客席の数で場所を取りながら踊っています。

    2番目の客席前で回転し、次に回転をしながら4番目の客席前へ移動する、その後は反対側の4番の客席前へ移動…等、

    笑顔で踊りながら、緻密な計算と場所確認が必要です。

    振付を覚えたら、次は場所を覚え、客席の数を瞬時に確認する、というトレーニングまで行うのが秋のフェスティバルです。

    発表会の様に、横一列で踊れば難しくありませんが、V字、円形、横一列と形を変えながら踊ります。

    ゲネで、真っ暗なステージ上から真っ暗な客席の椅子の数を確認しようとしたましたが、

    全く見えず、

    殆ど全員が場所を間違えたまま音楽が始まってしまいました。

    ゲネ後に楽屋でダメ出しを行い、暗闇で椅子の数を把握する目安、コツを何度も確認しました。

     

     

    制限された中での最大限の美しさを求めて、1カ月半、厳しいトレーニングに耐えて来た出演者達です。

    本番ギリギリまで楽屋や劇場ロビー、舞台裏で練習を重ね、【一瞬たりとも気を抜かない】という事もトレーニングの一つとして行いました。

    本番の舞台に上がり、照明が入った途端にお客様から温かい拍手を頂き、

    生徒達の心に喜びが溢れた瞬間を、舞台袖で見守りながら感じる事が出来ました。

    お客様とのエネルギーの交換を感じる事が出来ると、今までの、どんなに辛かった時間も、一気に喜びに変わります。

    この喜びを感じる為には、当たり前ですが、緊張していない事が必要です。

    【本番で緊張せず】、【冷静な自分でいる】為のトレーニングが、この1カ月半のリハーサルでした。

     

    頑張った出演者にコロナ禍で言えなかった『ブラボー』を贈ります。

    全力でサポートしてくださった御家族様、お疲れ様でした。

    客席で応援してくれたジョイの皆様、有難うございました。

    客席からの温かい拍手と温かいエネルギーを感じながら、生徒達が踊っていました。