『シルヴィアーダイアナのニンフ』Act2ストーリー⑥
ActⅡ オリオンの島の洞窟
月の光が全く届かない洞窟の中のオリオンの隠れ家。暗闇の中、シルヴィアが気を失って倒れている。弓矢を持たない無防備なシルヴィアの傍らには、オリオンが残忍な笑みを浮かべて立っている。少しずつ覚醒し始めたシルヴィアが最初に取り戻した記憶は、自分が残酷にも矢で心臓を射抜いて死に至らしめてしまったアミンタの姿であった。アミンタを想い嘆き悲しんでいると、突然、邪悪なオリオンの姿が視界に入り、シルヴィアは咄嗟に弓矢に手を伸ばすが、肌身離さず持っていた弓矢は見当たらない。怯まずに逃げようと駆け出すが、オリオンは出口を塞ぎ、シルヴィアを閉じ込めて降伏する事を強いる。シルヴィアは毅然と拒否してオリオンを突っ撥ねるが、或る考えが閃き、逃亡する事を諦めたかの様に振る舞う。大人しくなったシルヴィアに満足したオリオンは、踊りと食事でシルヴィアをもてなす様、エチオピア人の給仕達と奴隷達に命じる。
2010日本初演&2020リハーサルより